VRChatは仮想空間で他のユーザーと交流できる人気のプラットフォームですが、MacBookユーザーにとっては少し厳しい現実があります。「MacBookでVRChatを楽しみたい!」という願いは多くのMacユーザーが持っていますが、残念ながら2025年4月現在、公式にはmacOS向けのVRChatは提供されていません。
本記事では、MacBookでVRChatを利用するための様々な方法や回避策、各MacBookモデル別の対応状況、そして将来の展望について詳しく解説します。Intel MacとApple Silicon搭載のMacBookの違い、BootCampやParallelsなどの仮想環境の活用方法、さらにはeGPUを使った拡張オプションまで、あらゆる角度からMacBookでVRChatを楽しむ可能性を探ります。
記事のポイント!
- VRChatには公式のmacOS対応がないが、いくつかの代替方法が存在する
- Intel MacとApple Silicon(M1/M2/M3)MacではVRChat利用の選択肢が異なる
- BootCamp、Parallels、eGPU、クラウドゲーミングなど複数の方法でMacBookからVRChatにアクセス可能
- 将来的なMac対応の可能性とコミュニティからの要望状況について知ることができる

MacBookでVRChatを実行する方法と対応状況
- MacBookでVRChatは直接実行できない現状
- MacとVRChatの互換性問題はEasy Anti-Cheatが原因
- Boot Campを使用してWindowsをインストールする方法
- ParallelsなどのVM経由でVRChatを使用する際の制限
- GeForce NowなどのクラウドゲーミングでVRChatをプレイする方法
- eGPU(外付けグラフィックカード)でMacの性能を向上させる選択肢
MacBookでVRChatは直接実行できない現状
VRChatは現在、公式にはWindowsプラットフォームのみをサポートしています。VRChatの公式サイトやSteamのストアページを確認すると、macOSは対応OSとして記載されていません。これは技術的な制限やmacOSのVR対応の問題など、複数の要因が影響しています。
MacBookユーザーがVRChatを直接起動しようとすると、アプリケーションが動作しないか、互換性エラーが表示されることになります。特にApple Silicon(M1/M2/M3チップ)搭載のMacBookでは、x86アーキテクチャ向けに開発されたVRChatを直接実行することはできません。この状況は2025年4月現在も変わっていません。
VRChatコミュニティフォーラムやRedditなどでは、Mac対応を求める声が多数あがっています。特にVRChat社の公式フィードバックページでは「MacOS Support」という要望が多くのユーザーから支持されていますが、現時点では公式対応の明確な予定は発表されていません。
興味深いことに、VRChatはAndroid向けに提供されているため、理論的にはiPadOSやmacOS向けにも開発可能であると考えられます。しかし、macOSとAndroidではアーキテクチャや開発環境が大きく異なるため、単純に移植できるわけではありません。また、VRChatの主要な利用シーンであるVR体験については、MacBookの標準GPUではパフォーマンスが不足する可能性が高いという技術的課題もあります。
MacBookでVRChatを使いたい場合、直接実行する方法はないものの、いくつかの回避策や代替手段が存在します。次のセクションからは、それらの方法について詳しく解説していきます。Boot CampやParallelsなどの仮想環境、eGPUの活用、クラウドゲーミングサービスなど、MacBookユーザーがVRChatを楽しむための選択肢を見ていきましょう。
MacとVRChatの互換性問題はEasy Anti-Cheatが原因
VRChatがMacで直接動作しない主要な理由の一つに、Easy Anti-Cheat(EAC)の存在があります。EACはVRChatが2022年に導入したアンチチートシステムで、不正行為を防止する目的で実装されました。しかし、このEACはmacOSに完全対応しておらず、特にApple SiliconのARM64アーキテクチャでは動作しません。
独自調査の結果、VRChat ASK Forumの投稿では「Easy Anti CheatによりParallelsでの実行がブロックされている」との記述があります。また、フィードバックフォーラムの投稿では「EACがARM64 CPUをサポートしていない」というエラーメッセージが報告されています。つまり、仮にmacOS向けのVRChatクライアントが存在したとしても、EACの制限により正常に動作しない可能性が高いのです。
仮想マシンやエミュレーターを使用してWindowsでVRChatを実行しようとする場合も、EACが障壁となります。EACは仮想環境での実行を検出すると、セキュリティ上の理由からゲームの起動をブロックする傾向があります。これはチート行為を防ぐための措置ですが、正当な目的でParallelsなどを使用するMacユーザーにとっては大きな障害となっています。
興味深いことに、VRChatはモバイル版(Android向け)では異なるセキュリティ対策を採用しており、EACを使用していません。これが、一部のユーザーが「iPad向けのVRChatアプリがmacOSでも動作するようになれば良い」と期待する理由です。Apple SiliconのMacはiPadアプリを実行できる機能を持っていますが、残念ながら現時点でVRChatのiPadバージョンは存在しません。
EACの問題を回避するには、Boot Campを使ったネイティブなWindows環境の構築が最も確実な方法です。しかし、これはIntel Macでのみ可能で、Apple Silicon搭載のMacでは利用できません。そのため、M1/M2/M3 MacBookユーザーは、後述するような代替手段を検討する必要があります。
Boot Campを使用してWindowsをインストールする方法
Boot CampはAppleが提供する公式ツールで、Intel搭載のMacにWindowsをインストールし、ネイティブに実行することができます。これはVRChatをMacBookで実行するための最も安定した方法の一つです。Boot Campを使用すると、MacBookを完全なWindowsパソコンとして起動できるため、VRChatのようなWindowsアプリケーションを制限なく実行できます。
Boot Campセットアップの基本的な手順は、Boot Campアシスタントを起動し、WindowsのISOファイルを用意し、ハードドライブをパーティション分割してからWindowsをインストールするというものです。Steamフォーラムの投稿ではユーザーが「Boot Campを使用してVRChatを実行できる」と言及しており、YouTubeのチュートリアルリンクも共有されています。
しかし重要な注意点として、Boot CampはIntel搭載のMacBookでのみ利用可能です。2020年以降に発売されたApple Silicon(M1/M2/M3チップ)搭載のMacBookでは、Boot Campは利用できません。これは、AppleがIntel製チップからApple独自設計のARMベースチップに移行したことによる技術的な制限です。
Boot Campを使用してWindowsを実行する際の利点は、VRChatだけでなく、他のWindows専用のVRアプリケーションやゲームも実行できることです。また、VRヘッドセットの接続もWindowsネイティブ環境なら比較的スムーズに行えます。ただし、MacBookのグラフィック性能によっては、VR体験のパフォーマンスが十分でない場合があります。
Boot Camp環境でVRChatを快適に実行するには、十分なストレージ容量(少なくとも100GB以上)とメモリ(8GB以上推奨)が必要です。また、VR体験を目指す場合は、後述するeGPU(外付けグラフィックカード)の利用も検討する価値があります。Boot CampはmacOSとWindowsを切り替えて使用するため、使いたいOSで再起動する必要がある点も覚えておきましょう。

ParallelsなどのVM経由でVRChatを使用する際の制限
Parallelsは、MacBook上でWindowsを仮想マシン(VM)として実行できるソフトウェアです。macOSを起動したまま、ウィンドウ内でWindowsを動作させることができるため、使い勝手は良いのですが、VRChatに関しては重大な制限があります。最も大きな問題は、先に述べたEasy Anti-Cheat(EAC)との互換性です。
VRChatのフィードバックフォーラムでは「ParallelsでVRChatを実行しようとするとEACが『ARM64 CPUはサポートされていません』というエラーを表示する」と報告されています。これは特にApple SiliconのMacBookで顕著な問題です。Parallelsは技術的にはApple Silicon上でx86 Windowsアプリケーションをエミュレートできますが、EACがその環境を検出して実行をブロックするのです。
Intel搭載のMacBookでParallelsを使用する場合も、仮想化環境ではEACが正常に機能しない可能性があります。また、VMware FusionやVirtualBoxなど他の仮想化ソフトウェアでも同様の問題が発生します。これらの仮想環境では、VRChatのログイン時にEACのチェックで弾かれてしまうことが多いようです。
仮想マシンを使用する場合のもう一つの問題は、パフォーマンスです。仮想化によるオーバーヘッドが発生するため、特にグラフィック処理が要求されるVRChatでは、ネイティブ実行に比べて大幅にパフォーマンスが低下する可能性があります。VRヘッドセットを接続して使用する場合は特に、フレームレートの低下やレイテンシの増加が問題となります。
それでも、Parallelsは定期的にアップデートされており、将来的にはEACとの互換性問題が解決される可能性もゼロではありません。また、デスクトップモード(非VR)でVRChatを軽く使用する程度であれば、一部の設定でParallelsでの実行が可能になるケースもあるかもしれません。ただし、2025年4月現在の情報では、ParallelsでのVRChat実行は公式にはサポートされておらず、推奨できる方法ではないことに注意が必要です。
GeForce NowなどのクラウドゲーミングでVRChatをプレイする方法
クラウドゲーミングサービスは、MacBookのハードウェア性能に依存せず、リモートサーバー上でゲームを実行してストリーミングする方法です。NVIDIAのGeForce Nowはその代表例で、一部のユーザーはこのサービスを使ってMac上でVRChatを利用しようと試みています。
Steamフォーラムの投稿では、あるユーザーが「GeForce Nowを試したが、動作しなかった」と報告しています。しかし、GeForce Nowのサービス内容やサポートゲームリストは定期的に更新されるため、現在の状況は異なる可能性があります。2025年4月時点では、GeForce NowがVRChatを公式にサポートしているかどうかの確認が必要です。
クラウドゲーミングの大きな利点は、MacBookのモデルやスペックに関係なく、高性能なグラフィック処理を必要とするゲームを実行できることです。Intel MacでもApple Silicon Macでもブラウザさえあればアクセスできるため、ハードウェアの互換性の問題を回避できます。また、ストレージ容量を消費することなく、多くのゲームにアクセスできる点も魅力です。
ただし、クラウドゲーミングには重大な制限もあります。最も大きな問題は、安定した高速インターネット接続が必須であることです。遅延(レイテンシ)が発生すると、特にVRChatのようなソーシャルVR体験では著しく体験が損なわれます。また、GeForce Nowを含むほとんどのクラウドゲーミングサービスでは、VRヘッドセットのサポートが限定的であるか、まったくサポートされていない場合があります。
クラウドゲーミングを検討する場合、サブスクリプション費用も考慮する必要があります。GeForce Nowは基本プランが無料で提供されていますが、セッション時間や画質に制限があります。より長時間のプレイや高画質を望む場合は、有料プランへのアップグレードが必要になります。また、サービスの可用性は地域によって異なる場合があるため、お住まいの地域でサービスが提供されているかの確認も重要です。
eGPU(外付けグラフィックカード)でMacの性能を向上させる選択肢
外付けグラフィックカード(eGPU)は、MacBookの処理能力を大幅に向上させることができるハードウェアソリューションです。eGPUは、Thunderboltポートを介して接続するエンクロージャーに高性能なGPUを搭載し、MacBookのグラフィック処理能力を補強します。VRChatのような3Dグラフィックを多用するアプリケーションでは、この追加パワーが大きな違いをもたらす可能性があります。
VRChat ASK Forumの投稿では、あるユーザーがeGPUの利用について言及しています。具体的には「Razer Core XにNVIDIA GPUを搭載したeGPUを使用する」という提案があり、GPUとしては「GTX 1070以上が推奨」と書かれています。2025年現在ではより新しいGPUモデルも選択肢になりますが、基本的な考え方は同じです。
eGPUをMacBookで使用する場合の大きな利点は、ノートパソコンの携帯性を維持しながら、必要に応じて高いグラフィック性能を得られることです。特に、Intel搭載のMacBookでBoot Campを使用している場合、WindowsでのeGPUサポートによってVRChatのようなグラフィック負荷の高いアプリケーションを快適に実行できる可能性が高まります。
ただし、eGPUの利用にはいくつかの注意点もあります。まず、コストが比較的高いことが挙げられます。質の良いeGPUエンクロージャー(Razer Core Xなど)は単体で約280ユーロ(約5万円)程度、さらにGPU自体の費用が別途必要になります。中古品を購入しても、合計で10万円前後の投資が必要になる場合が多いでしょう。
また、Apple Silicon搭載のMacBookでは、eGPUのサポートが限定的である点に注意が必要です。M1/M2/M3チップ搭載のMacBookでは、macOS上でのeGPUサポートが十分に確立されていません。したがって、eGPUソリューションは主にIntel搭載のMacBookユーザー向けのオプションと考えるべきでしょう。さらに、eGPUを使用する場合でも、VRChatを実行するにはBoot CampなどでWindowsを使用する必要があることを忘れないでください。

MacBookのモデル別でVRChatを使用する際の注意点
- Intel MacとApple Silicon(M1/M2/M3)MacではVRChat対応に違いがある
- M1 MacBookでVRChatを使うための最適な方法
- M2 MacBookユーザーがVRChatを利用するための現実的な選択肢
- MacBookでVRChat用のVRヘッドセットを接続する方法と制限
- VRChatのMac対応は将来的に実現する可能性
- まとめ:MacBookでVRChatを使用するための現状と将来の展望
Intel MacとApple Silicon(M1/M2/M3)MacではVRChat対応に違いがある
Intel搭載のMacBookとApple Silicon搭載のMacBookでは、VRChatを実行するための選択肢に大きな違いがあります。この違いは主にアーキテクチャの違いに起因し、それぞれに適した方法が異なります。Intel Macは伝統的なx86アーキテクチャを採用しているのに対し、Apple SiliconはARMベースのアーキテクチャを使用しています。
Intel搭載のMacBookの最大の利点は、Apple公式のBoot Campを使用してWindowsをネイティブにインストールできることです。これにより、VRChatを含むWindowsアプリケーションを最も互換性の高い方法で実行できます。また、Intel MacではParallelsなどの仮想マシンソフトウェアの成熟度も高く、一部のアプリケーションであれば仮想環境でも実用的なパフォーマンスが期待できます。
一方、Apple Silicon(M1/M2/M3)搭載のMacBookでは、Boot Campが利用できないという大きな制限があります。Appleは現在のところ、Apple SiliconでのWindowsネイティブブートをサポートしていません。そのため、WindowsアプリケーションはParallelsなどの仮想化ソリューションを通じて実行する必要があります。しかし、先述の通りVRChatのEasy Anti-Cheat(EAC)は、この環境での実行をブロックする傾向があります。
VRChat ASK Forumの投稿では、特にM1 MacBook Proでの起動問題が報告されており、「M1 MacBookでは、IntelプロセッサではないためSteam経由でゲームにアクセスできない」と述べられています。これは、Apple SiliconのMacBookユーザーがVRChatを使用する際に直面する典型的な問題を示しています。
結論として、VRChatを実行するための選択肢はIntel Macの方が豊富です。しかし、どちらのMacBookでも、公式にサポートされた方法でVRChatを直接実行することはできません。Intel MacユーザーはBoot Campが使える利点がある一方、Apple Silicon Macユーザーはクラウドゲーミングなどの代替手段に頼る必要があります。次のセクションでは、これらの違いを踏まえた上で、各モデル別の具体的な対応方法について詳しく見ていきます。
M1 MacBookでVRChatを使うための最適な方法
M1チップを搭載したMacBookでVRChatを利用する方法は限られていますが、いくつかの選択肢が存在します。M1 MacBookはAppleの最初のApple Siliconチップを搭載したモデルで、2020年後半に登場しました。Intel時代のMacと比較して優れたパフォーマンスと電力効率を実現していますが、x86アプリケーションとの互換性という新たな課題も生じました。
VRChat ASK Forumでは「M1 MacBook Proでゲームを起動する際の問題」について議論されています。投稿者はIntelプロセッサではないためにSteam経由でゲームにアクセスできないと述べており、この問題に対する解決策を模索しています。残念ながら、フォーラムの回答者も「Parallelsはアンチチートの影響で選択肢にならない可能性がある」と指摘しています。
M1 MacBookでVRChatを利用する最も現実的な方法の一つは、クラウドゲーミングサービスの活用です。GeForce NowなどのサービスがVRChatをサポートしている場合、ブラウザ経由でアクセスすることで、MacBookのハードウェア制限を回避できる可能性があります。これはローカルでの実行ではなく、リモートサーバーでゲームを実行してストリーミングする方法ですが、安定した高速インターネット接続が必須条件となります。
もう一つの選択肢は、VRChatのモバイルバージョン(Androidアプリ)を活用する方法です。M1以降のMacBookはiPadアプリを実行できる機能を持っていますが、残念ながら現在のところVRChatのiOS/iPadOS版は存在しません。しかし、VRChatフィードバックフォーラムでは「iOS版VRChatがオンラインになったので、Apple SiliconデバイスでもVRChatのダウンロードを可能にした方が良い」という意見が出ています。将来的にはこのルートでの利用が可能になるかもしれません。
M1 MacBookユーザーにとって、現時点では完全に満足のいくVRChat体験を得ることは難しい状況です。代替案として、一部のユーザーはOculus Quest 2などのスタンドアロンVRヘッドセットを別途購入し、そちらでVRChatを利用するという選択をしています。これはMacBookを使わない解決策ですが、VRChatをVRで体験したいユーザーにとっては現実的な選択肢となります。フォーラムの回答者も「Oculus Quest 2がPCを購入するよりも安価な選択肢になる」と言及しています。

M2 MacBookユーザーがVRChatを利用するための現実的な選択肢
M2チップ搭載のMacBookは、M1の後継としてより高いパフォーマンスを提供しますが、VRChatとの互換性に関しては基本的にM1と同様の制限があります。M2 MacBookでもBoot Campは利用できず、Parallelsなどの仮想環境でもEasy Anti-Cheatの問題があります。しかし、M2の優れた処理能力を活かした代替手段を検討することは可能です。
提供された情報からは、M2 MacBook特有のVRChat情報は限られていますが、基本的にはApple Silicon全般に対する制限が適用されると考えられます。VRChatフィードバックフォーラムでの「MacOS Support」の要望には、M2ユーザーからのコメントも含まれていると思われますが、具体的なM2に関する言及は見られません。
M2 MacBookの強みは、M1よりもさらに向上したグラフィック処理能力とエネルギー効率です。これは、将来的にmacOS向けのVRChatが登場した場合、より快適に動作する可能性を意味します。また、クラウドゲーミングサービスを利用する際も、ストリーミング映像のデコードや画面表示において、より滑らかな体験が期待できます。
M2 MacBookユーザーがVRChatにアクセスする現実的な方法としては、やはりクラウドゲーミングが有力です。また、Parallelsなどの仮想化ソフトウェアは継続的に更新されており、将来的にはEACとの互換性が改善される可能性もあります。ただし、現時点では公式にサポートされた方法ではないため、期待はしすぎないほうが良いでしょう。
M2 MacBookで将来的にVRChatを利用する可能性を高めるためには、VRChatの公式フィードバックフォーラムなどでmacOSサポートを要望することも一つの方法です。コミュニティからの声が大きくなれば、開発チームが対応を検討する可能性も高まります。すでに「MacOS Support」の要望には多くのユーザーが賛同しており、特にApple Siliconの普及に伴い、この声はさらに大きくなっていくと予想されます。
MacBookでVRChat用のVRヘッドセットを接続する方法と制限
MacBookでVRヘッドセットを使用してVRChatをプレイすることは、さらに複雑な課題を伴います。VRヘッドセットの接続と利用には、互換性、処理能力、ソフトウェア対応など複数の要因が関わってきます。特にMacBookは一般的にVR用に最適化されていないため、制限が多く存在します。
VRChat ASK Forumの投稿では、Quest 2ヘッドセットをMacに接続する方法についての質問がありました。回答では「VRChatはMacをネイティブにサポートしていない」「NVIDIAとSteamがmacOSでのVRサポートを停止した」という説明がされています。これは、主要なVRプラットフォームがmacOSを積極的にサポートしていないという現状を示しています。
MacBookでVRヘッドセットを使用する場合、Intel搭載のMacBookであればBoot CampでWindowsをインストールし、Windowsネイティブ環境でVRヘッドセットを接続するという方法が考えられます。しかし、この場合もMacBookのグラフィック性能がVR要件を満たしているかが問題になります。フォーラム投稿では「VRには多くのGPU処理能力が必要で、Macの内蔵GPUでは不十分」と指摘されています。
この問題に対する一つの解決策は、eGPU(外付けグラフィックカード)の使用です。Thunderboltポート経由で接続するeGPUエンクロージャーに高性能なGPUを搭載することで、MacBookのグラフィック処理能力を大幅に向上させることができます。フォーラム投稿では「GTX 1070以上のGPUを搭載したeGPUの使用」が提案されていますが、これはIntel MacBookでBoot Camp環境を使用する場合に限られます。
もう一つの現実的な選択肢は、Oculus Quest 2などのスタンドアロンVRヘッドセットを単独で使用することです。これはMacBookを使用せずにVRChatにアクセスする方法ですが、フォーラムの回答者も「PCを新たに購入するよりもOculus Quest 2の方が安価」と指摘しています。実際、VRChatはOculus Quest向けに最適化されたバージョンを提供しているため、MacBookとの互換性問題を完全に回避できる利点があります。
VRChatのMac対応は将来的に実現する可能性
VRChatがmacOSに公式対応する可能性については、様々な意見や要望がコミュニティから寄せられています。VRChatフィードバックフォーラムには「MacOS Support」という要望が投稿されており、多くのユーザーがこれに賛同しています。この要望は特に「M1およびM2チップへの移行に伴い、VMでのVRChat実行がEACによってブロックされている」という背景から生まれたものです。
注目すべき点として、VRChatはすでにiOS向けにアプリを提供しています。あるユーザーのコメントによれば「VRChatのiOS版がオンラインになったので、Apple Siliconデバイスでも利用できるようにすべき」という意見があります。技術的には、Apple SiliconのMacBookはiPadアプリを実行できる機能を持っているため、理論的にはiOS/iPadOS版のVRChatをMacでも動作させることができる可能性があります。
将来的なmacOS対応の可能性を高める要因として、Apple Siliconの普及と性能向上が挙げられます。M1からM3へと進化するにつれて、グラフィック性能も大幅に向上しています。これにより、VRChatのようなグラフィック負荷の高いアプリケーションもApple Silicon上で快適に動作させる技術的基盤が整いつつあります。また、AppleがVR/AR分野に積極的に参入していることも、将来的にmacOSでのVRアプリケーション対応が進む可能性を示唆しています。
ユーザーからの声も重要な要素です。フィードバックフォーラムでは、様々な理由でMacでのVRChat実行を望むユーザーがコメントを残しています。例えば「仕事でMacの使用が義務付けられている」「出張先でもデスクトップモードでVRChatを使いたい」「MacBookの優れたバッテリー寿命を活かして外出先でも使用したい」といった実用的なニーズが挙げられています。こうした声が大きくなれば、開発チームが対応を検討する可能性も高まるでしょう。
ただし、技術的な課題も無視できません。Easy Anti-Cheat(EAC)との互換性問題は、単にVRChatアプリをmacOSに移植するだけでは解決しない可能性があります。また、VRヘッドセットとの連携やグラフィック処理の最適化など、多くの技術的ハードルが存在します。したがって、macOS版VRChatが登場するとしても、すぐには実現しないかもしれません。現時点では公式な発表はなく、あくまでもユーザーからの要望という段階に留まっています。
まとめ:MacBookでVRChatを使用するための現状と将来の展望
最後に記事のポイントをまとめます。
- VRChatは現在、公式にはmacOSをサポートしていない
- Intel搭載MacBookではBoot Campを使用してWindowsをインストールし、VRChatを実行可能
- Apple Silicon搭載MacBook(M1/M2/M3)ではBoot Campが利用できないため、選択肢が限られる
- Easy Anti-Cheat(EAC)の制限により、ParallelsなどのVM環境でのVRChat実行は困難
- クラウドゲーミングサービス(GeForce Nowなど)はMacBook上でVRChatを実行する代替手段となる可能性がある
- Intel MacBookではeGPU(外付けグラフィックカード)を使用してグラフィック性能を向上させることも選択肢
- VRヘッドセットをMacBookで使用する場合、特にVR体験に関しては多くの制限がある
- Oculus Quest 2などのスタンドアロンVRヘッドセットは、MacBookを使わずにVRChatを体験する現実的な選択肢
- VRChatコミュニティからはmacOS対応を求める声が多く上がっている
- 将来的には、iOS/iPadOSアプリとしてApple Silicon MacでVRChatが動作する可能性もある
- Apple Siliconの性能向上により、将来的にはmacOSネイティブでのVRChat実行の技術的基盤が整う可能性
- 現時点ではmacOS対応の公式発表はなく、代替手段を検討することが現実的
