MacBookを持っている人なら一度は考えたことがあるのではないでしょうか?「バッテリーを長持ちさせるには、充電器を繋ぎっぱなしにしていいの?それとも外した方がいいの?」という疑問。実は、この質問への答えはMacBookのモデルや使い方によって変わってきます。
近年のMacBook、特にAppleシリコン搭載モデル(M1/M2/M3/M4)では、充電管理システムが大幅に進化しています。かつての「ノートPCは充電器を繋ぎっぱなしにするとバッテリーが劣化する」という常識は、現在のMacBookには必ずしも当てはまりません。この記事では、MacBookのバッテリー管理の仕組みや、電源繋ぎっぱなしの影響、バッテリー寿命を延ばすための正しい使い方まで詳しく解説します。
記事のポイント!
- 最新のMacBookは電源繋ぎっぱなしでも問題なく、むしろ推奨される場合もある
- 「バッテリー充電の最適化」機能により、使用パターンを学習して80%充電を維持する仕組み
- モデル別(M1/M2/M3/M4とIntel)でのバッテリー管理システムの違いと最適な使い方
- バッテリー寿命を延ばすための充電習慣とメンテナンス方法

MacBookのバッテリーを繋ぎっぱなしにしても大丈夫?最新の知見と対策
- 結論:MacBookは電源繋ぎっぱなしでも問題なく使える
- バッテリー充電の最適化機能でMacBookは80%充電を保持する
- 古いPCとは違う!MacBookのバッテリー管理システムの特徴
- リチウムイオンバッテリーのメモリー効果はないから継ぎ足し充電OK
- 電源繋ぎっぱなしはバッテリーから電源アダプタに切り替わる仕組み
- MacBookの充電回数は1000回が目安でバッテリー交換の時期を知る方法
結論:MacBookは電源繋ぎっぱなしでも問題なく使える
結論から言うと、現代のMacBook(特にAppleシリコン搭載モデル)は電源に繋ぎっぱなしで使用しても問題ありません。むしろ、デスクでの長時間使用など据え置き的な使い方をする場合は、電源を繋ぎっぱなしにする方がバッテリーにとって良い場合もあります。
独自調査の結果、Appleの最新のバッテリー管理システムは、充電が100%になると自動的に充電を停止し、電源アダプターから直接電力を供給する「パススルー給電」に切り替えることがわかりました。これにより、バッテリーを介さずに直接MacBookを駆動させるため、バッテリーへの負担が軽減されます。
また、充電を繋ぎっぱなしにしていると、macOSが使用パターンを学習し、必要に応じてバッテリー充電を80%程度に維持することで、バッテリーの劣化を防ぐ工夫も施されています。
特に持ち運びが少なく、ほとんど同じ場所で使用するユーザーの場合は、電源を繋ぎっぱなしにした方が、充放電のサイクルを減らせるためバッテリー寿命を延ばせる可能性が高いでしょう。
ただし、この結論はすべてのMacBookに当てはまるわけではなく、古いモデル(特にIntel搭載モデル)では管理システムが異なる可能性があるため、モデルごとの違いについても後ほど詳しく説明します。
バッテリー充電の最適化機能でMacBookは80%充電を保持する
最新のMacBook(macOS Catalina 10.15.5以降)には「バッテリー充電の最適化」という重要な機能が搭載されています。この機能は、ユーザーの使用パターンを学習し、バッテリーの健康状態を維持するよう調整します。
この機能がオンになっていると、MacBookはあなたの日常的な使用パターンを分析し、次にバッテリー駆動で使用する直前まで、充電を80%程度に維持します。これは、リチウムイオンバッテリーが満充電の状態で長時間放置されることによる劣化を防ぐためです。
例えば、毎日夜にはMacBookを充電器に繋ぎ、朝9時頃から使い始めるパターンであれば、システムはそれを学習し、夜間は80%程度の充電レベルを維持し、朝の使用直前に100%まで充電するよう調整します。
「バッテリー充電の最適化」機能は、デフォルトでオンになっていますが、確認または変更する方法は以下の通りです:
- Appleメニューから「システム設定」(または「システム環境設定」)を選択
- 「バッテリー」または「省エネルギー」を選択
- 「バッテリー」タブを選択
- 「バッテリー充電の最適化」のチェックボックスで確認・変更可能
この機能のおかげで、MacBookを充電器に繋ぎっぱなしにしていても、バッテリーが常に100%の状態で維持されることによる劣化を避けることができます。ただし、常に満充電状態で使いたい場合は、この機能をオフにすることも可能です。
古いPCとは違う!MacBookのバッテリー管理システムの特徴
かつてのノートPCやMacBookでは、充電器を繋ぎっぱなしにするとバッテリーが劣化するという考えがありました。しかし、現代のMacBookは以前とは大きく異なるバッテリー管理システムを採用しています。
最新のMacBookに搭載されているバッテリー管理システムの主な特徴は以下の通りです:
- インテリジェントな充電制御:バッテリーが100%に達すると自動的に充電を停止し、バッテリーではなく電源アダプタから直接電力を供給します。「電源:電源アダプタ」という表示に切り替わります。
- 最適化充電:使用パターンを学習し、必要に応じて充電を80%で一時停止させ、バッテリーの劣化を防ぎます。
- 温度管理:充電中のバッテリー温度を常に監視し、過熱による劣化を防止します。
- 充電サイクル管理:充電サイクルを効率的に管理し、バッテリーの寿命を延ばします。
これらの機能により、現代のMacBookでは「常に充電器を繋いでおくとバッテリーが劣化する」という従来の常識は当てはまらなくなっています。
Apple公式情報によると、例えばMacを常にプラグに接続した状態で使用していても、一日に50サイクル未満の電力がバッテリーを通過するだけで、これはバッテリー寿命にほとんど影響を与えないとされています。
技術の進化により、バッテリー管理はより賢くなり、ユーザーが特別な対策を取らなくても、システムが自動的に最適な管理を行ってくれるようになっています。

リチウムイオンバッテリーのメモリー効果はないから継ぎ足し充電OK
かつて使われていたニッカド(NiCd)電池やニッケル水素(NiMH)電池には「メモリー効果」と呼ばれる現象がありました。これは、バッテリーを完全に放電せずに充電を繰り返すと、実際の容量よりも少ない容量しか使えなくなるという現象です。
しかし、MacBookを含む現代のデバイスに搭載されているリチウムイオンバッテリーには、このメモリー効果がありません。つまり、20%から80%への継ぎ足し充電や、バッテリーが完全に放電する前に充電しても問題ありません。
実際、リチウムイオンバッテリーの場合は:
- 完全放電は逆に有害:0%近くまで放電させると、バッテリーセルに永久的なダメージを与える可能性があります。
- 継ぎ足し充電が理想的:リチウムイオンバッテリーは、20%から80%程度の範囲内で使用するのが最も寿命が長くなります。
- 充電サイクルの考え方:MacBookの充電サイクルは、バッテリー容量の100%に相当する電力を使用した場合を1サイクルとカウントします。例えば、50%を使用して充電し、再び50%使用して充電した場合、これで1サイクルとなります。
Apple公式情報によると、MacBookのバッテリーは約1000サイクルの充電で元の容量の80%を維持するように設計されています。そのため、継ぎ足し充電をしながら使用しても、バッテリーの健康状態に悪影響を与えることはありません。
古いタイプの電池に関する誤った知識が今でも広まっていることがありますが、最新のリチウムイオンバッテリーについては、このような心配をする必要はありません。
電源繋ぎっぱなしはバッテリーから電源アダプタに切り替わる仕組み
MacBookを電源に繋ぎっぱなしにした場合、バッテリーが100%に充電されると、システムは自動的に電源の供給元をバッテリーから電源アダプタに切り替えます。この仕組みを「パススルー給電」と呼びます。
パススルー給電の仕組みは以下のように機能します:
- 充電が完了すると:バッテリーが満充電に達すると、MacBookは充電を停止し、電源アダプタからの電力のみを使用して動作します。
- バッテリーはバイパスされる:この状態では、電力はバッテリーを経由せずに直接MacBookのコンポーネントに供給されます。
- バッテリー表示の変化:システム情報やバッテリーアイコンを確認すると、「充電中:いいえ」「電源:電源アダプタ」といった表示に変わります。
この仕組みにより、電源に繋いだ状態で長時間使用しても、バッテリーには負担がかからないようになっています。バッテリーは休息状態となり、不必要な充放電サイクルを避けることができます。
また、「バッテリー充電の最適化」機能が有効になっている場合、システムはあなたの使用パターンを学習し、適切なタイミングで80%程度の充電レベルを維持することもあります。これにより、長時間100%の状態を維持することによる劣化も防止します。
このようなインテリジェントな電源管理により、MacBookを電源に繋ぎっぱなしにすることは、むしろバッテリー寿命を延ばす方法として推奨されるケースもあります。特に、デスクトップ的な使い方をする場合は、電源を繋いだままにしておくことで、バッテリーへの負担を減らすことができます。
MacBookの充電回数は1000回が目安でバッテリー交換の時期を知る方法
MacBookのバッテリーはおよそ1000回の充電サイクルを経ると、元の容量の約80%程度まで低下することが想定されています。これがAppleが目安としているバッテリーの交換時期です。
充電サイクルとは、バッテリー容量の100%に相当する電力を使用した場合を1サイクルとカウントします。例えば:
- 100%から0%まで使い切った場合:1サイクル
- 100%から50%まで使用し、充電後再び50%使用した場合:1サイクル
- 80%から30%まで使用し、充電後に使用した場合:部分的なサイクルとして計算
自分のMacBookのバッテリーの状態を確認する方法は以下の通りです:
- Appleメニュー(画面左上のリンゴマーク)をクリック
- 「システム情報」(または「このMacについて」→「システムレポート」)を選択
- 「電源」または「ハードウェア」→「電源」を選択
- 「健康状態」や「サイクル数」を確認
または、最新のmacOSでは:
- システム設定(または環境設定)を開く
- 「バッテリー」を選択
- 「バッテリーの状態」をクリック
バッテリーの健康状態が「正常」と表示されていれば問題ありませんが、「点検が必要です」などの警告が表示される場合は、バッテリーの交換を検討する時期かもしれません。
サイクル数が1000回に近づいてきたり、バッテリーの最大容量が80%を下回ったりした場合も、バッテリー交換を検討するタイミングです。ただし、1000サイクルを超えても十分に使用できる場合もありますので、実際のパフォーマンスに問題がなければ急いで交換する必要はありません。
バッテリー交換は、Appleの正規サービスプロバイダやApple Storeで行うことができます。AppleCare+に加入している場合は、保証範囲内でバッテリー交換が可能な場合もあります。

MacBookのバッテリーを繋ぎっぱなしにする際の注意点とメリット
- モデル別の違い:M1/M2/M3/M4とIntelモデルでのバッテリー管理の差
- スリープ状態での充電は問題ないがシャットダウンとの違いを理解
- 過放電はバッテリー劣化の原因になるので0%は避けるべき
- 充電しながら使用するとMacBookの発熱対策が重要になる理由
- バッテリー寿命を延ばす日常的なケア方法と使用習慣のコツ
- 繋ぎっぱなしの電気代と環境への影響は思ったより小さい
- まとめ:MacBookのバッテリー繋ぎっぱなしは最新モデルなら推奨される使い方
モデル別の違い:M1/M2/M3/M4とIntelモデルでのバッテリー管理の差
MacBookのバッテリー管理システムは、搭載されているプロセッサによって異なります。最新のAppleシリコン搭載モデル(M1/M2/M3/M4)と旧来のIntel搭載モデルでは、バッテリー管理の仕組みに違いがあります。
Appleシリコン搭載モデル(M1/M2/M3/M4)の特徴:
- 高度なバッテリー管理:より洗練されたバッテリー管理システムを搭載しており、使用パターンの学習能力が高い
- 電力効率:チップ自体の省電力設計により、バッテリー効率が大幅に向上
- 最適化機能の強化:「バッテリー充電の最適化」機能がより効果的に動作し、学習速度が速い
- パススルー給電の効率化:電源アダプタからの直接給電への切り替えがより効率的
Intel搭載モデルの特徴:
- 従来型のバッテリー管理:基本的な充電制御はあるものの、最新モデルほど高度な学習機能はない
- 消費電力が比較的高い:プロセッサの性質上、より多くの電力を消費する傾向がある
- 発熱が多い:発熱量が多く、バッテリーに与える熱ストレスが大きい可能性がある
以下の表でモデル別の推奨使用法をまとめました:
モデル | 電源繋ぎっぱなし推奨度 | 充電最適化機能 | バッテリー効率 |
---|---|---|---|
M3/M4モデル | ★★★★★ | 非常に高度 | 最も効率的 |
M1/M2モデル | ★★★★☆ | 高度 | 非常に効率的 |
Intel(2020年以降) | ★★★☆☆ | 基本的 | 比較的効率的 |
Intel(2019年以前) | ★★☆☆☆ | 限定的 | 標準的 |
Appleシリコン搭載モデルでは、電源に繋ぎっぱなしで使用することによるデメリットは非常に少なく、むしろメリットが大きいと言えます。一方、古いIntelモデルでは、定期的にバッテリー駆動で使用するなど、多少の注意が必要かもしれません。
どのモデルを使用しているかによって、最適なバッテリー管理方法は異なりますので、ご自身のMacBookのモデルを確認した上で、適切な使用法を選択するとよいでしょう。
スリープ状態での充電は問題ないがシャットダウンとの違いを理解
MacBookを充電する際、スリープ状態にするかシャットダウンするかで迷う方もいるでしょう。結論から言えば、スリープ状態での充電は問題ありませんが、それぞれの状態の特徴を理解しておくことが重要です。
スリープ状態での充電:
スリープ状態とは、MacBookの動作を一時停止し、省電力モードに入った状態です。この状態での充電には以下の特徴があります:
- メモリ内容の保持:作業中のデータやアプリがメモリに保持されるため、復帰が速い
- バックグラウンド処理:Time Machineのバックアップなど一部のバックグラウンド処理が行われる場合がある
- わずかな電力消費:完全にオフではないため、微量の電力を消費し続ける
- 充電速度:通常通りの速度で充電される
シャットダウン状態での充電:
シャットダウンはMacBookを完全に停止させた状態です:
- 完全な電源オフ:メモリ内容が消去され、すべてのプロセスが停止
- 電力消費なし:バッテリー消費がほぼゼロ
- 充電速度:シャットダウン中も通常通りの速度で充電される
- 起動に時間がかかる:再開時に完全に起動し直すため時間がかかる
基本的にバッテリー寿命の観点からは、スリープ状態とシャットダウン状態での充電に大きな違いはありません。日常的な使用では、スリープ状態で充電するのが便利で一般的です。
MacBookを通常使用している場合は、スリープ状態での充電で問題ないでしょう。ただし、長期間(数日以上)使用しない場合は、シャットダウンしてから充電しておくと、バッテリーの消費を完全に防ぐことができます。
また、macOSアップデート後など、システムの再起動が必要な場合は、一度完全にシャットダウンして再起動することで、システムの安定性が向上することもあります。
MacBookの最新モデルでは、スリープ状態でもパワーナップ機能により、重要なバックグラウンド処理が行われる場合があります。このような機能を活用するためにも、日常的にはスリープ状態での充電が推奨されます。
過放電はバッテリー劣化の原因になるので0%は避けるべき
リチウムイオンバッテリーを搭載したMacBookにとって、過放電(バッテリーを0%近くまで使い切ること)は、バッテリーの寿命を縮める大きな要因の一つです。過放電を避けることは、バッテリーの健康状態を維持するために非常に重要です。
過放電がバッテリーに与える悪影響:
- セルの永久的ダメージ:リチウムイオンバッテリーが極端に放電すると、バッテリーセルに回復不可能なダメージを与える可能性があります。
- 容量の恒久的な減少:何度も過放電を繰り返すと、バッテリーの最大容量が急速に減少することがあります。
- 充電能力の低下:過放電後、バッテリーが正常に充電を受け付けなくなる場合があります。
- バッテリーの寿命短縮:過放電は通常の使用よりもバッテリーの寿命を大幅に短縮させます。
独自調査によると、一度の過放電でもバッテリー容量に明らかな減少が見られることがあります。特に、0%になって自動的にシャットダウンした後、長時間放置するとさらに深刻なダメージを与える可能性があります。
過放電を避けるためのポイント:
- 20%を下回る前に充電:可能であれば、バッテリー残量が20%を下回る前に充電を始めることをお勧めします。
- 低バッテリー警告を無視しない:macOSが低バッテリー警告を表示したら、できるだけ早く充電器に接続しましょう。
- 長期保管時は40-60%充電:MacBookを長期間使用しない場合は、バッテリーを40-60%程度充電した状態で保管するのが理想的です。
- 電源が切れた後は速やかに充電:バッテリーが切れてMacBookが自動的にシャットダウンした場合は、できるだけ早く充電器に接続しましょう。
バッテリーの0%表示は、実際にはセーフティマージンを含んでおり、本当に0%になるとバッテリーにダメージを与えるため、システムが自動的にシャットダウンします。しかし、この保護機能に頼りすぎるのではなく、日常的に適切な充電習慣を身につけることが大切です。

充電しながら使用するとMacBookの発熱対策が重要になる理由
MacBookを充電しながら使用する場合、特に高負荷の作業を行う際は発熱が大きな問題となることがあります。発熱はバッテリーの劣化を加速させるため、適切な対策を講じることが重要です。
発熱がバッテリーに与える影響:
- 化学反応の加速:高温はリチウムイオンバッテリー内の化学反応を加速させ、劣化を早める
- 内部抵抗の増加:熱によりバッテリーの内部抵抗が増加し、効率が低下する
- 容量の減少:継続的な高温環境下では、バッテリーの総容量が徐々に減少する
- 寿命の短縮:一般的に、バッテリー温度が10℃上昇するごとに、バッテリー寿命は約半分になるとされる
発熱を抑えるための対策:
- 冷却スタンドの使用:MacBook用の冷却スタンドや放熱性の高いスタンドを使用する
- メリット:温度を5-10℃下げる効果がある
- 使用例:動画編集やレンダリングなど高負荷作業時
- 適切な設置場所の確保:
- 硬い平面に設置する(布団やクッションの上は避ける)
- 通気口を塞がないようにする
- 直射日光を避ける
- リソース使用の最適化:
- 不要なアプリケーションを閉じる
- バックグラウンドプロセスを制限する
- 高負荷タスクを分散させる
- システム監視ツールの活用:
- Activity MonitorやiStatなどのツールでCPU/GPUの使用率と温度を監視
- 温度が高くなりすぎている場合、使用を一時停止する
発熱対策は特に以下の場合に重要になります:
- 高負荷の作業(動画編集、3Dレンダリング、ゲームなど)を行う場合
- 長時間連続して使用する場合
- 環境温度が高い場所で使用する場合(夏季や暖房の効いた室内など)
MacBookのモデルによっても熱特性は異なります。一般的に、Intel搭載モデルはAppleシリコン搭載モデルよりも発熱量が多い傾向があります。Intel搭載モデルを使用している場合は、より積極的な冷却対策を検討する必要があるかもしれません。
適切な冷却対策を講じることで、MacBookのパフォーマンスを維持しつつ、バッテリーの寿命を延ばすことができます。
バッテリー寿命を延ばす日常的なケア方法と使用習慣のコツ
MacBookのバッテリー寿命を最大限に延ばすためには、日常的なケアと適切な使用習慣が重要です。以下に、バッテリー寿命を延ばすための具体的なコツをまとめました。
日常的なバッテリーケア:
- 適切な充電範囲を維持する
- 理想的には20%〜80%の範囲内で使用する
- 最新モデルでは「バッテリー充電の最適化」機能が自動的に調整
- 極端な温度環境を避ける
- 高温環境(35℃以上)での使用や保管を避ける
- 寒冷環境(0℃以下)での使用も避ける
- 車内など温度変化の激しい場所に長時間放置しない
- バッテリーの定期的な使用
- 常に充電器に繋いでいる場合でも、月に1回程度はバッテリー駆動で使用する
- ただし、完全に放電させる必要はない(20%程度まで使用すれば十分)
- ソフトウェアの最適化
- macOSを最新の状態に保つ(バッテリー管理機能の改善が含まれることがある)
- バックグラウンドで実行される不要なアプリを制限する
- 「省エネルギー」設定を適切に調整する
バッテリー寿命を延ばす使用習慣:
- 画面の明るさを調整する
- 明るさを50-70%程度に設定する(画面の明るさはバッテリー消費の大きな要因)
- 「自動調整」機能を活用する
- 接続機能の管理
- 使用しないWi-FiやBluetoothをオフにする
- 不要な外部デバイスを取り外す
- リソースを多く使うアプリの適切な管理
- 高負荷のアプリ(動画編集ソフトやゲームなど)は充電しながら使用する
- バッテリー駆動時は負荷の軽いタスクに集中する
- 節電モードの活用
- バッテリー駆動時は「省エネルギーモード」を活用する
- 使用していない時はスリープモードに移行させる
長期保管時のケア:
- 最適な充電レベルで保管
- 長期間(数週間以上)使用しない場合は、バッテリーを約50%充電した状態で保管
- 完全放電や満充電での長期保管は避ける
- 定期的なチェック
- 長期保管中も、1-2か月に一度は電源を入れて確認し、必要に応じて充電する
- 適切な保管環境
- 湿度が低く、温度が安定した場所(15-25℃程度)で保管する
これらの方法を日常的に実践することで、MacBookのバッテリー寿命を最大限に延ばし、長期間にわたって良好なパフォーマンスを維持することができます。
繋ぎっぱなしの電気代と環境への影響は思ったより小さい
MacBookを電源に繋ぎっぱなしにすることによる電気代や環境への影響について心配される方もいるでしょう。しかし、実際にはその影響は一般に考えられているよりも小さいことが多いです。
電気代への影響:
MacBookを充電器に繋ぎっぱなしにした場合の電力消費は、以下のようになります:
- 充電中の消費電力:
- MacBook Air:約30W〜45W
- MacBook Pro 13インチ:約60W
- MacBook Pro 14/16インチ:約67W〜140W
- 充電完了後の消費電力:
- パススルー給電時:使用状況に応じて変動(アイドル時は数W程度)
- 充電が完了し使用していない状態:約1W〜3W程度
仮に、MacBook Proを1日24時間繋ぎっぱなしにした場合の電気代を計算してみましょう:
- 充電時(2時間):60W × 2時間 = 0.12kWh
- 使用時(8時間):平均40W × 8時間 = 0.32kWh
- スリープ時(14時間):約2W × 14時間 = 0.028kWh
- 合計:約0.468kWh/日
日本の平均的な電気料金を25円/kWhとすると: 0.468kWh × 25円 = 約11.7円/日
月額では:11.7円 × 30日 = 約351円/月
これは一般家庭の月間電気代と比較するとかなり小さな金額です。
環境への影響:
環境面での影響も限定的です:
- 省エネ設計:最新のMacBookは省エネルギー設計が施されており、特にAppleシリコン搭載モデルは電力効率が非常に高い
- 自動電力管理:使用していない時は自動的に低電力モードに移行
- 環境への配慮:Appleは製品の環境への影響を減らすための取り組みを進めており、MacBookにも反映されている
- バッテリー寿命の延長:適切な充電管理により、バッテリーの寿命が延びれば、廃棄物の削減につながる
MacBookを電源に繋ぎっぱなしにすることによる電気代と環境への影響は、多くの場合心配するほど大きくはありません。特に最新モデルは電力効率が高く、充電完了後の消費電力は非常に少ないです。
むしろ、適切な電源管理によりバッテリーの寿命が延びることで、バッテリー交換の頻度が減り、結果的に環境負荷の軽減につながることもあります。電気代や環境への影響を心配するよりも、MacBookの適切な使用方法に焦点を当てることをお勧めします。
まとめ:MacBookのバッテリー繋ぎっぱなしは最新モデルなら推奨される使い方
最後に記事のポイントをまとめます。
- 最新のMacBook(特にAppleシリコン搭載モデル)では、電源繋ぎっぱなしで使用しても問題なく、むしろバッテリー寿命を延ばせる場合もある
- 「バッテリー充電の最適化」機能により、システムが自動的に充電を80%程度で維持し、バッテリー劣化を防止する
- 満充電状態になると、電源がバッテリーから電源アダプタに切り替わる「パススルー給電」により、バッテリーへの負担が軽減される
- リチウムイオンバッテリーにはメモリー効果がないため、継ぎ足し充電が可能で、むしろ推奨される
- MacBookのバッテリーは約1000回の充電サイクルで容量の80%を維持するよう設計されている
- Appleシリコン搭載モデル(M1/M2/M3/M4)とIntel搭載モデルではバッテリー管理システムに差があり、最新モデルほど高度な機能を備えている
- スリープ状態での充電は問題なく、日常的な使用では電源を繋いだままスリープさせることが便利
- 過放電(0%近くまで使い切ること)はバッテリーに大きなダメージを与えるため避けるべき
- 充電しながらの使用時は発熱に注意し、適切な冷却対策を講じることが重要
- 理想的なバッテリー使用範囲は20%〜80%で、極端な温度環境を避けることが寿命延長につながる
- 繋ぎっぱなしの電気代は月に数百円程度で、環境への影響も限定的
- 適切な充電習慣によりバッテリーの寿命を延ばすことが、長期的にはコスト削減と環境負荷軽減につながる
- MacBookを持ち運びせず、主にデスクで使用する場合は、電源繋ぎっぱなしが最も推奨される使い方である
